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ギアアンティークルネッサンス(GAR)小論、あるいは利殖の薦め


 

システム

 まずシステムの特徴として、特定の判定で成功するか失敗するかの予想が 困難なことがあげられる。 シナリオを詳細に渡って準備し、キャラクターシートのデータを見ても、なお困難である。 理由は、判定の時点でWoLが幾つになっているのか事前に予測できないから。 どんなに判定を難しくしたところで、WoL以下を出せば成功なのだから、 「成功して当然のこと」を想定することは出来ても 「出来そうにないこと」を想定することは出来ない。 ある時点でのWoLの数値が不定であるということは、 「大抵成功する」という設定も難しいということを意味する。

 よって、システムを使ってプレイを運用するには、 各時点でのキャラクターの状態を見てから動的に難易度を設定するしか ないのだが、これはどう見ても恣意的であり、おそらく不評を買うであろう。 どんなキャラクターであろうと成功可能性が変わらないのでは、 キャラクターの数値データは無いのと同じであるからである。  結局、通常のプレイつまり「難易度を設定し判定する」という方法は使えない。 必然的にプレイは、システムではなくマスタリングやプレイングに、 roll ではなく role に、頼るものになる。
 従って、キャラクターも数値的側面よりも非数値的な側面が重要になる。

 この点から考えると、各種のイベントを起こし、その履歴を保存するという キャラクターメイキングシステムは、このゲームに適したものであると言える。

 ところが現実には、GARのキャラクターメイキングは 数値的な側面を重視している。

などなど。
 このキャラメイクは単独として見ればそこそこ面白く、 悪いシステムだとは言わない。 しかし、ある数値的機能を目指した場合、制約が強いため バリエーションの広がりが小さくなってしまうことや、 キャラメイクに時間がかかってしまうのも事実。
 なにより、前述の理由から、数値的側面の重視はGARのプレイとの 整合性が低く、ゲーム全体としては失敗していると言わざるを得ない。

 実際のプレイにおいて数値的側面は重要ではないのだから、 キャラメイクの際の数値処理は省略するべきである。 そして、各人のイメージに合わせてキャラメイクをさせるなり、 ランダム性を前面に打ち出すなりする方がよい(折衷でもよい)。 プレイに役立たないものを一所懸命やっても仕方がない。


 

シナリオが無い

 シナリオが掲載されていないのは、GARの大欠陥である。 幸い私の手元にはツクダホビー版があるし、 プレイした記憶もあるのでなんとかなるが、 そうでなくては、どうすればいいか途方にくれることになっただろう。
 魔法ルールなど省略して、サプリメントにでも掲載すればよい。 それよりもシナリオが重要である。作者のミスとしか言いようがない。


 

利殖の薦め

 個人的に一番気合いが入ったのが、利殖であることを白状しておこう。
 最初は自家農地、次が屋台、それから優良企業、というのが基本。というか、 利率を考えると他の選択肢は考え難い。実は、一番効率が良いのは、 人を雇って屋台をやらせることである。 マスターがこれを認めるならとっとと使うといい。
 若いキャラクターで遊びたいのであれば、それなりに手元に現金をおいておくべき だが、中年以降のキャラで遊ぶつもりならば、若いうちは可能な限り再投資を 繰り返すのがよい。初期資金や投資額によるが、40歳頃には毎年1万以上の 不労所得が得られるようになっているはずである。 鉄道のパスを買うもよし、屋敷を買うもよし、使用人を大量に雇うもよし。 好きなように振舞えるだろう。

 と、面白そうな利殖なのだが、実は「無期限パス」を買った時点で飽きた。 理由は簡単、単調なのだ。上述のように、利率を考えるとほぼ選択は一意に定まる。 利率に目をつぶったところで、他の投資先の魅力が乏しすぎて、選ぶ気にならない。 唯一バーだけが「愛人付き」というプレイに使えそうな記述があるが、 他はあまりぱっとしないものばかり。これでは飽きて当然。
 最低限、各投資先にイベント表を付随させ、 キャラクターに彩りを添えるようになっているべきである。 そうすればプレイにも役立つ。
 これも、デザイナーの怠慢と言えるだろう。


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